2012年3月20日火曜日

オーダーのおしごと 旅立ち編



だいぶ季節は春に近づいてきました。
まだまだ寒いのですが、ほんの少しだけ春を感じます。

そんな3月後半は「卒業式」のシーズンです。
今回のオーダーはそんな卒業生から依頼をうけました。



山形市の中心市街地に廃業した木造旅館があるのですが、現在シェアアパートとして
東北芸術工科大学(TUAD)の学部生やOB、OGが共同生活をしています。その名も
「ミサワクラス」。元々の名前が三沢旅館だったそうで三沢に暮らすでミサワクラス
なんだとか。


共同生活をしながらいろいろなプロジェクトを発信しています。詳細は下記より。
Rコモンズ: http://r-commons.com/


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さて依頼人はミサワクラスの住人である荒逹宏さん。ご本人も今年度に卒業で、本日
(3/20)が卒業式なのでした。彼がお世話になった副手さんも一緒に大学を卒業す
るそうで、同級生一同で色んな贈り物をする予定なのだそうです。こういう心意気い
いですね。卒業した時を思い出します・・。


さっそく、完成した作品はこちらです。








 










brooch「 mebae 」 2012.3.19 
material / brass(真鍮)/ silver925 / 水木(ミズキ)
    

 
今回は約3週間で納品しました。結構この3週間、自分の中では驚きの早さです。
打ち合わせも数回ミサワクラスにてさせていただいたのですが、送り主である
副手の方の話しを聞いているうちに、ぱっとイメージが浮かびました。

「大きな木から新しい種が土に落ちそして芽生える。」

キーワードは「新しい場所への旅立ち」。
ベタ・・ではありますが、シンプルでわかりやすいテーマです。
 

送り主にとって大学は学び舎であり、仕事場であった。そんな場所を去る事は結構
大変なことかなと思います。(パワーがいりますよね・・)
住み慣れた家や町や時間から、また新しい場所でかたちをつくっていく。


黒く古くなった木から、キラキラとした新しい葉をのばしてまた新しい幹を育んでいける
ように。そんな願いからこの形ができあがりました。彼女の特別な日のためのささやかな
贈り物です。

素材は葉の部分が真鍮(しんちゅう)。黒い枝は本物で、水木(ミズキ)を使いました。
表面は火を当てて焦がし、黒くなっています。 根元のリングは銀925です。

依頼を受けれてよかったなと思います。久しぶりの達成感。私も一歩新しい場所へ進めた
気がします。


こちらは身につけた感じ。
















 brooch「 mebae 」 2012.3.19

喜んでいただけたら幸いです。

荒さんも、卒業おめでとう!またよろしくね。


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